子どものうちに日常繰り返し見聞きしたことは、大きくなってからも潜在的に覚えていたりするもの。
だからこそ小さいうちから綺麗な物や美しい言葉に触れさせたいですよね。
今回は美しい絵に美しい日本語が散りばめられた大人気の絵本「14ひきのシリーズ」から「14ひきのせんたく」をご紹介します。
「14匹のせんたく」とは
作・絵:いわむらかずお
出版社:童心社
ジャンル:絵本 32ページ
サイズ:26.6×19cm
定価:本体1,200円+税<
森の谷川を舞台に、明るい夏の光いっぱいに描いた、人気ロングセラーシリーズの第7作。画面いっぱいに大きく描かれた川は、水面の波紋や川の流れまで、描き分けられています。絵本を開いて、子どもたちと本を読んでいるだけで、川をわたる涼しい風、川のせせらぎが広がって行くようです。自然ゆたかな夏の谷川を描いた、暑い夏におすすめしたい1冊です。引用元:14ひきのせんたく (14ひきのシリーズ 14ひきのシリーズ Cセット) :いわむらかずお
「14匹のせんたく」レビュー
引用元:Amazon-14匹のせんたく
ねずみ一家の夏物語
森の中に住む14匹のねずみ一家の物語。
この絵本の中には夏を感じるワードがたくさん出てきます。
「ふりつづいたあめがやんで、もりじゅうになつのたいようがさしこんだ。」
最初のこの一文で長い梅雨がやっと明け、森に夏がやってきたことが分かります。
美しい日本語表現
「14ひきのせんたく」は1ページ当たりの文字数は決して多くありません。
「あぶらぜみ」「やまゆり」「みんみんぜみ」「にゅうどうぐも」
日本の田舎風景を思い起こさせるような夏のワードが散りばめられ、
「あおいそら」「みどりのかぜ」
といった、ポエムのような美しい日本語表現が並びます。
何気ない日常の風景がキラキラと美しく見えてくる言葉選びに感動します。
丁寧に描き込まれた美しい絵
文章も美しいのですが、絵だけ見ていても楽しめるほど美しいのが「14ひきのシリーズ」の魅力。
14匹いる一家それぞれの表情や特徴、細かな動きや服装だけでなく、背景に映り込む木々や草花、虫たちの描写まで全てが繊細で美しいです。
絵本を読み進める中で 「今この子は何してるのかな?」「この虫さんは何かな?」 といったやりとりを子どもとしてみても楽しいかもしれませんね。
ほのぼのとした森の風景は、大人が見ても癒されるものばかり。
「14ひきのシリーズ」に大人のファンが多いのも頷けます。
まとめ
引用元:Amazon-14匹のせんたく
なんてことないただの日常。
ただ、今の日本ではほとんど見られなくなってしまった家族の日常。
夏の空、風、雲、川。
おじいちゃんとおばあちゃんも一緒に住んでいる大家族も今ではすっかり少なくなりましたね。
子どもが「14ひきのせんたく」に惹かれるのは 目新しいからかもしれません。
大人が「14ひきのせんたく」に惹かれるのは 懐かしいからかもしれません。
昔懐かしい綺麗な風景と家族のだんらんが 「14ひきのせんたく」には詰まっています。