だるまちゃんとかみなりちゃん/加古里子 作・絵(福音館書店)【絵本レビュー】

だるまちゃんとかみなりちゃん/加古里子 作・絵(福音館書店)【絵本レビュー】 遊び
「だるまちゃんとかみなりちゃん」
作者:加古里子
出版社:福音館書店

今回紹介する「だるまちゃんとかみなりちゃん」がすごいのは、この本が初版から50年以上経っているということ。
絵本の中には50年以上たっているとは思えないほど鮮やかで今っぽく、今見ても未来感を感じる絵がたっぷり。
物語は「だるまちゃんとかみなりちゃん」が出会い、だるまちゃんが困っているかみなりちゃんを助けようと奮闘する場面と、だるまちゃんがかみなりちゃんのまちでお礼のおもてなしを受ける場面に分かれます。
「だるまちゃんとかみなりちゃん」という種族を超えた友情のお話と、前半から後半にかけて大きく変わっていく絵の世界観に惹きつけられる作品です。

突然の出会いとだるまちゃんの優しさに生まれた友情

だるまちゃんが出掛けようとしたある日、突然の雨の中傘を差して出ていくと突然落ちてきた変な丸いものと大きな雷。
そして小さなかみなりちゃん。
落ちてきた変な丸いものは木の上に引っかかってしまいました。
泣いてしまったかみなりちゃんから変な丸いものを取って欲しいとお願いされただるまちゃんは、かみなりちゃんのために頑張ります。
飛び跳ねてもかみなりちゃんを上に乗せてみても変な丸いものに届きません。
どうやっても取れずに泣いてしまう二人のもとにかみなりどんが迎えに来ます。

今の時代でも未来を感じる華やかなかみなりちゃんのまち

かみなりどんがお礼にだるまちゃんを連れてきたのはかみなりちゃんのまちでした。
かみなりちゃんのまちでは空飛ぶ車のような雲に乗ったかみなりたちが空を飛びかい、大きな飛び込み台や噴水があるプールではみんなオシャレな水着で遊んでいます。
そこには50年以上も前に初版されたとは思えないほどに、現代でも未来を感じる華やかな世界が広がっています。
子どもと一緒に「これは何かな?」「このかみなりさんは何しているのかな?」と指差しながら「だるまちゃんとかみなりちゃん」の世界を楽しめます。
かみなりちゃんのまちでたくさん遊び、ごちそうしてもらっただるまちゃんはお土産までもらって帰ります。
だるまちゃんはかみなりちゃんを助けようと頑張ったお礼にとても楽しいおもてなしをしてもらったのでした。

困ってるおともだちを見たら助けてあげよう

困って泣いてしまているかみなりちゃん。

「〇〇ちゃんはおともだちが泣いてたらどうするかな?」「だるまちゃんは優しいね。」
という声掛けで困っている友達を助けるのは大切だと伝えてあげることができます。
かみなりちゃんの困りごとを精いっぱい助けてあげようとするだるまちゃん。
公園や保育園などでおもちゃをなくして困っていたりしたら自然に助けてあげようと思える気持ちを育てることができる絵本になっています。

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