保育園の読み聞かせのポイント付き絵本レビュー「うずらちゃんのかくれんぼ」作・絵:きもとももこ(福音館書店)【絵本】

うずらちゃんのかくれんぼ/きもとももこ 作・絵(福音館書店)【絵本レビュー】 遊び
うずらちゃんのかくれんぼ
作:きもと ももこ
出版社:福音館書店
発行日: 1994年02月

「うずらちゃんのかくれんぼ」出版社の作品紹介
うずらちゃんとひよこちゃんがかくれんぼを始めました。自分たちの体の模様や色・形を上手に使って、花に隠れたり、ひょうたんに隠れたり、器用にかくれますが……。鮮やかな色づかいと斬新なデザイン感覚で、一気にうずらちゃんとひよこちゃんのかくれんぼの世界に引き込まれます。「いないいないばあ」の遊びが好きな子どもたちにぴったりな、愉快な2羽と一緒に楽しいかくれんぼ遊びのできる絵本です。

福音館公式サイトより

上手にかくれんぼしたうずらちゃん達を探すのが楽しい参加型絵本

ある日一緒にかくれんぼすることになったうずらちゃんとひよこちゃん。
「うずらちゃんのかくれんぼ」はとても上手にかくれんぼする2匹を親子で一緒に探せる楽しい参加型絵本になっています。
子どもと一緒にうずらちゃん達を探しながら、ストーリー性のある物語に惹き込まれていきましょう。

デフォルメされたうずらちゃんとひよこちゃん

「うずらちゃんのかくれんぼ」の主人公でもあるうずらちゃん。 ひよこちゃんはキャラクターやぬいぐるみなどでもよく見かけますが、うずらちゃんはなかなか見かけることがなくなりましたね。 うずらちゃんのかくれんぼ/きもとももこ 作・絵(福音館書店)【絵本レビュー】 実際のうずらの親子はこんな感じ。
けしてオレンジ色ではありませんが、体の斑点模様はしっかりと再現されています。
絵本を読んで、実際のうずらちゃんやひよこちゃんはこんな感じなんだよ♪と写真を見せてみても良いかもしれません。

見つける喜びが味わえる!うずらちゃんのかくれんぼ

「うずらちゃんのかくれんぼ」の中でうずらちゃんとひよこちゃんはとっても上手にかくれんぼしています。
ぱっと見では分からないくらい上手に紛れ込んでいるので、子どもと一緒に探す楽しさも味わえます♪
うずらちゃんやひよこちゃんといっしょに「みーつけた!」と指差しして見つけてみましょう。
一度読んでかくれんぼ場所を覚えていても後の物語に繋がる伏線があったりするので、たどりながら読むのも楽しいですね。

遊びに夢中で帰れなくなってしまったうずらちゃん達…

あらすじ
ある日うずらちゃんとひよこちゃんはかくれんぼをして遊ぶことにしました。
楽しいかくれんぼに夢中になる2匹。
するとだんだん雲がやってきて、帰れないほどの大雨に…。
2匹は悲しさのあまり身を寄せ合って泣いてしまいました。
するとそこに大きな2つの影が…。
遊びに夢中になって気が付いたら周りは真っ暗になってしまっていたり、急に雨降りに襲われたりするのは、自分たちが子どもの頃にもよくあることでしたよね。
子どもは何かに夢中になると周りが見えなくなってしまうもの。
「うずらちゃんのかくれんぼ」の中では、うずらちゃんとひよこちゃんもだんだん近づいてきている雲に気づかずに大雨になってしまいました。

最後のかくれんぼは大好きなおかあさん!

最後の「みーつけた!」はおかあさん達でした♪ 安心した2匹はまた遊ぶ約束をしてお家に帰ることに。
その頃には雨も止んで綺麗な夕焼け空が広がっていました。
「うずらちゃんのかくれんぼ」はかくれんぼを見つける楽しさと、遊びに夢中になってばかりいると怖い思いをしちゃうこともあるんだよと優しく伝えることが出来るストーリー性のある1冊になっています。

保育園が教える「うずらちゃんのかくれんぼ」読み聞かせのポイント

現役の保育士さん達が考えた手作りおもちゃや幼児食レシピなど、普段の子育てにも役立つ情報がたっぷりのにじいろランドnote園
保育園では毎日のように絵本の読み聞かせが行われています。
今回はにじいろランドnote園の保育士さんに、「うずらちゃんのかくれんぼ」の読み聞かせポイントを教えてもらいました☆

うずらちゃんのかくれんぼを保育園で読み聞かせしてみた反応は?

「うずらちゃんのかくれんぼ」では「じゃんけんぽん」「あいこでしょ」と子ども達も普段から聞きなじみのあるじゃんけんからかくれんぼを始めます。
0、1、2歳児にじゃんけんのルールは分からなくても保育士の声かけやジェスチャーによりマネをするような反応を見ることができ、今は意味が分からなくてもこれから理解していくのだなと思うと、とても大切な小さな一歩だと思いました。

うずらちゃんのかくれんぼで子ども達それぞれが感じること

「うずらちゃんのかくれんぼ」の初めで「もういいかい」の問いかけをマネする子や「もういいよ」と返事をしてくれる子等、子ども達の反応は様々です。
一人一人の性格や成長が見られるようで、読み手としてはどんな反応が返ってきても微笑ましく楽しい場面だなと思います。
うずらちゃん達が隠れているページではとてもカラフルな絵に目が惹かれ、子ども達も一生懸命集中していました。
隠れているうずらちゃん達を見つけた子はもちろん、探したい子も一緒になって前のめり姿勢で「うずらちゃんのかくれんぼ」を見ています。
うずらちゃん達を探したいのはもちろんですが、かくれんぼの場面には次に起こるハプニングのヒントも隠れていたりするので先走る子もいたりして、子ども達の反応が一番良く分かり読み手としても読みごたえがあります。
「なんだろうね?」「あ、〇〇がいるね」と共有や問いかけをすることにより、次のページへの意欲が高まるように感じました。

子ども達の感情を大事にしてうずらちゃんのかくれんぼを読んであげること

「そのとき!」と次の展開へ意識を促す際、再び「うずらちゃんのかくれんぼ」へ引き戻される子ども達の素直な反応はやはり子供らしく可愛い姿が見られます。
起こるハプニングも身近なものが多く、普段から注意の呼びかけや気を引く動作に反映させやすいと考え、事象へのリアクションを大切にし子ども達の記憶に残すことでまた日常から楽しむことが出来ると思いました。
「うずらちゃんのかくれんぼ」の終盤、カラフルな絵の楽しい気持ちのかくれんぼから一転、長い草と暗い色使いへの変化で不安な気持ちが表現された場面に変わります。
子ども達はさっきまでの大はしゃぎしていた姿から「なに?」と不思議そうな表情にガラッと変わる反応が面白かったです。
正体はうずらちゃんとひよこちゃんのお母さんなのですが、これからうずらちゃん達が成長していく中で見た目が変わったり、ひよこちゃんが大きくなったらニワトリになるという事を子ども達が知るきっかけにもなるので、子ども達に伝わるように大切に読みたい場面だと思いました。

うずらちゃんのかくれんぼを読み聞かせして思ったこと

不安な気持ちや寂しい気持ちになった時にお母さんが来てくれる安心感は、子ども達にとっても日常的で一番分かりやすく、伝わりやすい感情だと思います。
普段からたくさんの絵本に触れていますが、絵本に登場するのは母親が大半のように感じます。
父親でも良いのでは?と同時に登場させてあげたい気もしました。
「うずらちゃんのかくれんぼ」の帰り道では親子が寄り添い会話をしていたり、眠っている姿が描かれています。
楽しく遊んでいる中で、何か不安なことが起きても親の存在で安心感を得られる。
子が持つ親への信頼、親から子への愛情を感じられ、最後はあたたかい気持ちになれる絵本でした。

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